鑑定業者はどう選ぶ? 

~不動産鑑定業者の事業実績について~

不動産鑑定事務所が全国にどのくらいあるかご存知ですか?

 国土交通省の「鑑定士等・鑑定業者登録状況」「不動産鑑定業者(事務所)の情報」※1によると令和3年時点、全国で3,216の事業所が存在します。
 弊社の所在する埼玉県に限ってみても145社。けっこうな数です。

その中から適切な鑑定業者をどう選べばいいのでしょう?

 もし普段からお付き合いのある弁護士や税理士がいるなら、まずはそちらに相談するのがよいと思います。信頼のおける鑑定業者を紹介してもらえるかもしれません。
 でもそんな知り合いがいない場合どうしたらよいでしょう?

実は鑑定業者の実績は国土交通省のホームページで公開されています。 国土交通省「不動産鑑定業者の事業実績」

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk4_000018.html

上記ホームページの中の、■不動産鑑定業者情報、という項目に各事業所の実績データがExcelファイル形式でまとめて掲載されています。

 このファイルには鑑定業者の名称や所在、従事する鑑定士の数などが書かれているほか、「1年間に鑑定評価を行った件数」や「依頼目的別件数」「依頼先別件数」などがまとめられています。
 依頼目的には、売買の参考、担保評価のため、財務諸表作成のため、といったものがあり、依頼先には、地方公共団体、金融機関、個人、などがあります。
(年によって集計項目は若干異なります)

そのため、

「賃料に関して訴訟になってしまった。裁判資料としての評価経験のあるところがいい。」
「個人的に持っている土地の評価をして欲しいけど評価を依頼するのは初めてで不安。企業だけでなく個人のお客さんも多い業者がいい。」
 といった点から鑑定業者を探せます。

ただしこの実績データは横にも縦にも長いExcelファイルになっており、初めての方にはちょっぴり見づらいと思います。

せっかくですから弊社の前年実績を一部抜き出してみましょう。

※令和2年
【公的土地評価等の業務】
地価公示、都道府県地価調査、固定資産税評価、相続税評価等

【不動産の鑑定評価】
<依頼目的別>
売買                    53件
担保                    4件
保証                    20件
財務諸表             4件
資産評価             33件
その他                 22件

<依頼目的別(賃料)>
賃貸借                4件
争訟                    2件

<依頼先別>
国・独立行政法人等          7件
地方公共団体等               31件
金融機関                        2件
その他民間法人               73件
個人                               29件

いかがでしょうか?
もしどこの業者に頼もうか迷う案件がありましたら、こちらのデータを参考にご検討ください。

※1
「鑑定士等・鑑定業者登録状況」(国土交通省)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001406204.pdf