用途地域 とは?
不動産の広告などで目にする「用途地域」。一体どのようなものなのでしょうか?私達が住んでいる「まち」には、住宅、店舗、事務所、工場など様々な用途の建物があります。これらの建物が何のルールもなく地域に混在してしまうと、住みづらい「まち」になってしまいます。「用途地域」とは、都市計画法に基づき、住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるものです。「用途地域」が指定されると、それぞれの目的に応じて建築できる建物の種類と建て方のルールが決められます。現在は次の13種類があります。
〔住居系〕
◆第一種低層住居専用地域
低層住宅のための地域です。
小規模なお店や事務所をかねた住宅や、小中学校などが建てられます。
◆第二種低層住居専用地域
主に低層住宅のための地域です。
小中学校などのほか、150㎡までの一定のお店などが建てられます。
コンビニエンスストアや飲食店もOKです。
◆第一種中高層住居専用地域
中高層住宅のための地域です。
病院、大学、500㎡までの一定のお店などが建てられます。
◆第二種中高層住居専用地域
主に中高層住宅のための地域です。
病院、大学などのほか、1,500㎡までの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。
◆第一種住居地域
住居の環境を守るための地域です。
3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。
◆第二種住居地域
主に住居の環境を守るための地域です。
店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。
◆準住居地域
道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。
◆田園住居地域
農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。 住宅に加え、農産物の直売所などが建てられます。 平成30年4月1日施行の新しい用途地域です。
〔商業系〕
◆近隣商業地域
まわりの住民が日用品の買物などをするための地域です。
住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられます。
◆商業地域
銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。
住宅や小規模の工場も建てられます。
市街地の中心部やターミナル駅周辺などに指定されます。
〔工業系〕
◆準工業地域
主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。
危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。
◆工業地域
どんな工場でも建てられる地域です。
住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
◆工業専用地域
工場のための地域です。
どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。
(国土交通省ホームページより)
「用途地域」を調べることによって、その地域が賑やかなところか、静かなところか、便利なところかなど、周辺の環境やまちの景観などを知ることができます。例えば、第一種低層住居専用地域は閑静な住宅街といった感じで周囲に高い建物が建つ可能性はありませんが、地域内にコンビニエンスストアはないので、少し不便に感じるかもしれません。
「用途地域」は、市区町村が作成した都市計画図に用途地域ごとに色分けして表示されています。また、多くの市区町村ではホームページ(地図情報サイトなど)で閲覧することができますので、比較的簡単に調べることができます。
土地の価格は様々な要因によって決められています。「用途地域」も土地の価格に影響する要因のひとつになります。気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。