道路から車両による出入りができない土地がある??

~道路法第24条(道路承認工事申請)の承認基準について~

あまり聞きなれないワードかもしれませんが、「道路承認工事申請」とは、道路管理者以外の者が自らの必要性に基づいて、道路施設について道路に関する工事を行う場合に、道路管理者からその承認を受けるために行う工事申請をいいます。

 

土地を購入し、前面道路に出るための出入口の設置(歩道の切り下げ)、ガードレールがあればその撤去、舗装・L字型側溝の復旧及び新設などを行う場合に、必要になってくる場合があります。

 

そういった際に、道路管理者に対して工事申請を行うことになるのですが、申請に対する承認基準は各道路管理者によって定められているようで、例えば、関東の各都道府県でも概ね類似した基準であるものの、若干異なる基準(名称は異なりますが、「道路法第24条承認工事事務取扱要領」等)が設けられているようです。

 

これらの基準において、車両の出入口の設置が禁止されている箇所として、概ね共通しているのが、下記のような場所になっているようです。

 

・横断歩道から前後5m以内(下記図1①)

・バス停車帯内部、バス停から前後10m以内(下記図1①)

・トンネルから前後50m以内(下記図1②)

・横断歩道橋の昇降口から5m以内(下記図1③)

・地下道、地下鉄の出入口から5m以内(下記図1③)

・交差点の中及び交差点の側端(停止線がある場合は停止線)

又は道路の曲がり角から5m以内(下記図1④)

・踏切及びその前後の側端からそれぞれ前後に10m以内(下記図1⑤)、などです。

 

これらは逆に読むと、例えば、横断歩道から間口が5mの土地は車両の出入りは出来なくなる可能性があるのです。

 

また、出入口については隣接敷地境界から4m以上離すといった規定や、乗入幅は、例えば、一般住宅における乗用車の設置目的として4m以下とするといった規定もありますので、両側に隣接敷地があるとした場合、全部で12mの間口が必要?となる可能性が考えられると同時に、車両の出入口を設置できない場合、離れた場所に(賃借等)駐車場を確保する必要があるといったことも想定されます。

その場合、駐車場を当該対象地に確保できず、離画地に設ける場合の当該対象地の減価をどう見るかといった観点も忘れてはならないといったことも考えられます。

いずれにしても、建物の建築確認申請前(建築計画の段階)で、事前相談を行うことをお勧めする一方で、これから建物の建築するために土地を購入することを検討している場合は、駐車場の出入り口の確保といった観点での検討も必要になってくるかと思われます。

 

でも、街中を思い返すと、横断歩道の脇にすぐ立体駐車場の出入り口があったような気が…とか、交差点から5m以内にファミレスの駐車場で入口があったような気が…とか、あるかもしれません。それらはどちらが先に設置されたのかとか、いろいろと事情があるかもしれません。。。

 

不動産の仲介や評価を前提として、各種法令の確認などもご相談内容に応じて、当事務所で行っておりますので、何なりとご相談いただければ幸いです。

出典:茨城県 道路管理者以外の者の行う道路工事等 承認基準