巳年 ~蛇にまつわる話~
今年は巳年。蛇の年ですね。
その見た目やくねくねした動きなどから苦手という方も多いのではないでしょうか。私も大の苦手なのですが、蛇、特に白蛇は縁起がいい、金運が上昇するなどといわれていますね。蛇の抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まるときいたこともあります。蛇は脱皮を繰り返して成長する生き物なので強い生命力や再生力の象徴であり、白蛇は大変珍しいことから幸運の象徴といわれています。
以前、13星座が話題になったことがありましたが、その13番目の星座、さそり座といて座の間の「へびつかい座」にまつわるギリシャ神話では、「へびつかい座」のモデルは死者を生き返らせることができる医学の神様アスクレピオスとされ、大きな蛇「へび座」を抱える姿になっています。古代ギリシャでは蛇は医療のシンボルとされていました。この医学の神様アスクレピオスが持つ蛇が巻き付いた杖は「アスクレピオスの杖」と呼ばれ、WHO(世界保健機関)など医療関連のロゴマークに使われています。
日本の神話に「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」の有名な話があります。天照大神(アマテラスオオミカミ)の弟君とされる「素戔嗚尊(スサノオノミコト)」が八つの頭を持つ大蛇「八岐大蛇」を退治する話です。退治したときに大蛇から得た神剣「天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)」を天照大神に献上しましたが、これが後の「草薙神剣(クサナギノミツルギ)」とされています。「草薙神剣」は歴代天皇に伝えられる国宝「三種の神器」のひとつです。
蛇は、「家を守る」という言い伝えがある地域もあります。蛇が家に入ると裕福になるといわれたり「家の守り神」とされたりしているそうです。日本の民話には蛇が登場する話も多いのですが、気味が悪く、こわい感じの話もあります。やはり、神として祀られていたということは昔から得体のしれない力を感じ、畏れられていたのでしょう。また、蛇(アオダイショウ)が家に住みつくとねずみや害虫を食べてくれるので、蔵のお米や蚕を守ってくれるとして敬われていたようです。
家を守る生き物といえば「ヤモリ」が思い浮かびますよね。わが家を守ってくれているかもしれないのも蛇ではなくヤモリ。寒くなってからは見かけなくなりましたが、秋ごろまでは暗くなるとよく出没していました。帰宅したとき2匹で出迎えてくれることもあり、ヤモリが苦手な私でもかわいいと感じるようになりました。暖かくなってまた会えるのが少しだけ待ち遠しいです。
できれば会いたくない蛇ですが、家を守ってくれたり幸運をもたらしてくれるかもしれないと思うと、少しは苦手な気持ちも和らぎますね。
巳年の2025年、皆様に幸運が訪れる素敵な年になりますように。
参考資料
熱田神宮ホームページ