相続税路線価

時々、こんな話を耳にします。

「家の近くで○○〇〇万円で土地が売れたらしいので、私の土地もそれくらいするのでしょうか?」

 

土地・建物はすごく身近なものなのに、一体どのくらいの価値があるのかというと、なかなか一般の方にはわかりづらいものです。

土地に関していえば、一つの指標となるものに、相続税路線価というものがあり、以前のブログでも書いた公的評価の一つですが、今回は、路線価の見方についてお話ししたいと思います。

相続税路線価とは

相続税及び贈与税の課税における土地等の評価額の基準とするため毎年1月1日時点の価格(1㎡当たりの価格)を決定し、7月に公表しています。

その土地が面している路線(道路)に価格が設定されていることから路線価といい、価格が同一水準と認められる一連の土地が面している道路ごとに設定されます。

1.路線価の調べ方

路線価は税務署に路線価図が備え付けられており閲覧することができます。また、国税庁のホームページからも自由に閲覧することができます。

参考:財産評価基準書|国税庁

 

ちなみに国税庁のホームページでは最新のものから7年分の路線価しか見ることができませんが、インターネット上で平成18年頃からの路線価を提供しているホームページもあります。さらに、古い路線価を調べたい場合は、国立国会図書館で収集した過去の国税庁のホームページを閲覧することができるそうです。

 

2.路線価の見方

路線価図を見ると〇や□その他の図形の中に数字とアルファベットが記載されており、記号からは矢印がでています。

路線価図の上段に、地区、記号等の凡例が表示されていて、記号の形状が表す地区は次表のとおりです。

数字は㎡当たりの千円単位の価格 アルファベットは借地権割合を表しているので300Cは300,000円/㎡、借地権割合70%となります。

また、路線価は10万円未満は1,000円単位、10万円以上30万円未満は5,000円単位、30万円以上は10,000円単位で表示されます。

90,000円→91,000円→92,000円

100,000円→105,000円→110,000円

300,000円→310,000円→320,000円

 

以前のブログではこのようなお話をしました。では、同じ路線価が設定されている土地はみんな同じ価格なのかというと、そういうわけではありません。価格水準が同一とみなされる一連の土地に設定されていますが、個々の土地については異なります。

 

例えば、下図のA~Cが接面している道路の路線価は全て同じです。

しかし、AとBでは接面している道路の方位が違います。また、Cは南側の道路のほかに東側の道路にも接面しています。それ以外にも間口が狭かったり、奥行が長い、地形が不整形、規模が大きい等々それぞれの土地によって、その個別性は様々です。

 

3.路線価と実勢価格

路線価は国税庁が定める相続税や贈与税の計算基準であり、公示価格の80%程度が目安となっていますが、実際に取引される土地の価格は需要と供給によって、変動しますので路線価を0.8で割ったものと実勢価格が必ず同水準になるとは限りません。

4.最後に

路線価を見ると、大体の目安はわかりますが、次のようなケースではもっと的確に不動産の価値を把握したいのではないでしょうか。

 

土地又は土地・建物を売りたいけれど、安く買われたら困る。逆に買いたい不動産がもっと安いのではないかと不安になる。相続人が複数いるため、代償金で清算することになり、損をしていないか判断がつかない。等々、ご自身の土地・建物の適正価格を知りたい場合には、不動産鑑定士にご相談ください。

当社では、裁判鑑定も数多く扱っていますので、安心してお任せいただけると自負しております。